「the 沖縄!」vol.2
「the沖縄!」で紹介した「中村家」とともに、300以上ある沖縄のグスク(城)の中で、最も姿が残っていることで知られている中城城跡(なかぐすくじょうあと)の写真です。資料を読み進むうち、この2つの遺構には五百数十年前から深い関わりがあることが解かってきました。
琉球(沖縄)では、1187年頃(グスク時代)からグスクを拠点に各地で王を名乗り、勢力争いが始まりました。その勢力は1314年頃には三つに分かれ、特に三山時代と呼ばれます。後に1429年に尚(しょう)氏がこれを統一し、第一尚氏王朝時代(1429年)が成立、以降首里城を拠点とした琉球王国が幕をあけます。
中城城跡は三山時代に築城された後、第一尚氏王朝時代(1440年)に座喜味グスクから移ってきた護佐丸(中城城主)によって増築・完成されました。また、中村家の先祖賀氏(がうじ)は、ともにこの地に師臣として移ってきたと伝えられています。
1458年、城の落城とともに離散させられた中村家は、第二尚氏王朝時代・後期にあたる1720年頃地頭代に任ぜられ、家運をようやく盛り返したということです。
中城城跡は、連郭式(れんかくしき)の山城で、六つの郭(くるわ)で構成され、主に琉球石灰岩の切石で積まれています。その種類は、野面(のづら)積み・布積み(豆腐積み)・あいかた積み(亀甲乱れ積み)の三つの石積技術に分けられます。
中城を含め沖縄のグスクは、古い時代から本土より技術が発達し、その築城技術の高さは芸術的で歴史的にも高い評価を受けています。
中城城跡は、1972年5月15日(日本復帰の日)に国の史跡に指定され、2000年には「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一つとして世界遺産にも登録されました。
城跡を進むにつれ、1853年に来島したペリー探検隊一行の記録にもその石造建築のすばらしさが賞賛されているように、石積みや郭のすばらしさに驚かされるばかりで、時間の経つのを忘れて城内を歩き回っていました。西に東シナ海、東に太平洋を見渡す城の石垣に立つと、琉球の歴史に想い馳せずにはいられません。機会があれば、是非もう一度足を運んでみたいものです。
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