「欠かせないもの」
何かって? それは毎日の食卓に決まったように置かれているきくらげの佃煮なんです。新聞誌上でもつい最近紹介されたものと同じ小豆島のもので、ここで作られる島しょうゆで炊き上げられた佃煮を最初に口にした時の衝撃はとても言い表せないものでした。
有難いことに帰省のたびに頂いていた我が家では、当たり前のようにそこに存在する食品でした。その一部を、周囲の方におすそ分けすることもでき、大変喜んでもらったりもしました。正直、お土産屋さんでバラエティに富んだ食材を原料にした佃煮を見ていて、どうしてこんなに美味しいものが全国に出回らないのか、不思議に思ったりしたものです。
もともと島の良質なしょうゆがあればこその佃煮ですが、その歴史は約400年前大阪築城のために採石にきた大名が、調味料として紀州のしょうゆを持参したことから始まったといわれています。
その後、和歌山の湯浅にしょうゆ作りを学び、古来より盛んであった塩田で精製された塩や、海上交通の要所であったことから良質の豆や小麦などの原材料が容易に入手できたこと、また瀬戸内特有の温暖な気候は麹の発酵にも適していたことからしょうゆ造りは発展し、「島しょうゆ」と呼ばれる特産品となりました。
ところが、終戦後の統制化でしょうゆの材料が入手困難な時期に、しょうゆ生産者が芋のつるを島しょうゆで炊いた佃煮を考案。保存や運搬に適した佃煮は出荷された大阪で大歓迎され、この成功によって島を挙げての佃煮づくりが始まったといいます。
現在では日本各地から選りすぐった原材料を揃え、全国有数の産地となり、記事にあったように「食品産業センター」から数少ない「本場の本物」ブランドに認定されました。
まろやかで品の良い甘み・・・一度食べたら忘れられないその味の奥に、長い歴史と努力が結集されていた事実を知り、二十数年間当たり前のように食べていた「佃煮」が我が家の食卓にますます欠かせない一品になりました。是非お勧めしたい逸品です!
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