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-建築基準法改正 その後-

このブログを始めた頃(6月のことですが・・・)、耐震偽装による建築基準法改正についてのコメントを載せました。かなり厳しい改正内容であると書いた記憶があります。

予想通り、手続きの厳格化をうたったこの改正は、あまりにも現場を無視した内容で、その直後から建築確認申請がほとんど提出されなくなったことは、建築関係の広報誌のみならず、新聞・TV等あらゆるメディアで現状が報告されています。住宅着工数が激減し、審査する側の自治体や民間機関もその対応に戸惑いが隠せない異常な状態が続いています。

今回の改正で問題になっている内容の一つに、申請後に設計図の不備や着工後の変更があった場合、それまで通常行われていた書類の差し替えや訂正が一切認められなくなり、申請業務そのものを初めからやり直すことを義務化し、且つ手数料も再度必要となるという改正点が挙げられます。

また、提出書類も格段に増え、使用する部材についても認定を受けている証拠として多量の認定書を添付しなければならないなど、考えられない内容になっています。

今回の基準法では、構造計算適合性判定制度(適判)が初めて導入され、対象となる構築物は、特定機関に判定料を支払い別途審査を受ける事が義務付けられました。それまでの国交省指導の審査制度では耐震偽装が見抜けなかったため盛り込まれた制度です。

ところが、制度の見切り発車のために、大臣認定プログラムが間に合わず、適判認定に要する作業量が膨大になり、確認申請が滞る要因になっているといいます。

この事態を受け、日本建築士事務所協会連合会は国交省に対し、改正建築基準法の手続きの柔軟化や制度の改善を求める要望書を提出。また、この改正で着工件数が急激に減少し、建築関連企業に多大な経済的影響がでていることで、中小企業庁に協力を要請、資金繰りの支援措置を決定しました。今月4日には、自由民主党は冬芝国交省大臣に対し、確認制度の見直しを含めた改善策を検討するように求めました。

基準法施行後のこの大混乱は以外にも世間にはあまり重要視されていないらしく、つい先日もTVで取り上げられていましたが、時間にして5分程度のレポートで終了しました。視聴率が取れないのか、はたまた芸能関係の特番のほうが受けいれられるということでしょうか?

私の好きな映画の一つ、「踊る大捜査線」シリーズで、主演の織田裕二が警察組織のキャリアに向かって言う決めゼリフがあります。

今、この改正建築基準法について、建築に携わっているすべての実務者は、声を大にして叫んでいます。

「事件は現場で起きている!!」と・・・。

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コメント

樽見様、はじめまして。
適判物件がもたつくのは、認定プログラムができていないからというだけじゃないですよね。(認定プログラムを使わないほうが手数料が安くなる物もアリ)
本申請後の訂正や不整合を許さないという制度が問題だと思ってます。危険側の不整合だけでなく、安全側の不整合もアウトってへんですよね。

また、責任の所在と審査の順番もおかしいですよね。普通、責任の重い者ほどあとに審査をするのでは?
確認済証発行の責任は建築主事もしくは指定確認検査機関にあります。
しかし、適判の審査結果が指定確認検査機関(行政なら建築主事)の判断より上位となります。しかも、指定確認検査機関も行政はたいていのところは事前相談を受けてくれるんですが、適判は事前相談を受け付けませんよね。
ですから、行政も適判行き物件の事前審査は異常なほど神経を使っているようです。訂正に行くと、なじみになった審査員が嘆くこと嘆くこと。(なじみになるほど通ったのか;;)
隅々まで舐める様な細かい審査をされて、図面とデータダンプと概要書と丸め数字を見比べて、「前だったら、ここの数字が違っててもどの道安全側だからOKにしてたんだけど、今は不整合でアウトだから」て具合で訂正や、丸めの方法や理由を書くよう指示されます。この前は「意匠図並に構造図や計算書も整えてよ」と言われて、意匠屋として自信をもっていいんだかなんだか(苦笑)

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