キリストのゆりかご?
クリスマスと言えば「シュトーレン」。ドイツの伝統的なお菓子です。我が家でもお決まりのようにケーキとセットで焼いていました。子供が大きくなるにつれ、あまり必要がなくなり、キッチンの仕様が変わったこともあり、ここ数年は手作りのお菓子のないクリスマスが続いていました。
パンの香りのしない食卓に少しずつ物足りなさを感じていたこともあって、久しぶりに焼いてみましたが、やはりそのおいしさに感動!!!
画像は、個人的に欲張ってマンデルシュトーレンとクリストシュトーレンを合体させたものですが、シュトーレンにはその他にも色々な種類があることを今回始めて知りました。
まず、シュトーレンとは?・・・というところから話を始めると・・・ドイツのアドヴエントになくてはならないお菓子で、綴りの上からも伸ばさないのが正しい発音とあります。シュトレン( stollen ) という名前は「坑道」を意味し、トンネルのような格好をしているためにその名がつけられたそうです。また、粉砂糖をたっぷりまぶしてあるところから、幼子イエスを産着で包んでいるというふうにみたてられていました。
シュトレンは、もともとザクセン州の州都ドレスデンでクリスマス時期に焼かれていた郷土菓子で、その起源は14世紀とも言われ、16世紀には王族や教会などの高層の間ではクリスマスのプレゼントとして使われていたようです。
前述のアドヴエントというのは、キリスト教においてイエスの降誕を待ち望むクリスマス前の4週間の慣習のことで(日本では待降節・降臨節と言われています)、4本のローソクとシュトレンを用意し、週末の日曜日ごとに一本づつローソクを足し、薄く切ったシュトレンを賞味しながら、身内や身近な友人とささやかなティーパーティーを開いて祝うそうです。クリスマスを迎える頃には、4本のローソクに火が灯り、明るく暖かな部屋でちょうどシュトレンを食べきる状態になります。昔は高価な材料が手に入らず、特別な時だけ食べられるお菓子ということで、一切れずつ大切に味わっていたのではないかと言われています。
シュトレンの種類を挙げてみると、一般に呼ばれている名称の基本シュトレンのクリストシュトレン、ドレスナー以外で作ることを許されないドレスナーシュトレン、バターの名称の配分が規定されているブッターシュトレン、アーモンドの最低量が20%に規定されているマンデルシュトレン、真ん中にマジパンが入っている(マジパン30%以上使用されていること)マジパンシュトレンなどがあります。また、基本のシュトレンについては、小麦粉100%に対しバターが最低30~50%、乾燥物の分量も最低60%含まれるものでなければ、シュトレンと称することができないことと規定されています。
昔、クリストシュトレンの作り方を習った折に、講師の方から“イエスが寝ていたゆりかごに似ていることからこの名前がついた”と説明を受けました。焼きあがったシュトレンの表面に粉砂糖をたっぷりかけながら、その意味をあらためて感じずにはいられないひとときでした。
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