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2012年3月

ヘリテージマネージャーVol.5

多治見市にある、 「虎渓山永保寺」の 開山堂及び観音堂改修工事を見学してきました。

Blog12032402 永保寺は夢窓国師を開祖とし、室町初期に建造された禅宗寺院で、昭和27年に開山堂と観音堂が、ともに国宝に指定されています。

 左の写真は真新しい永保寺本堂です。
 写真左奥にある桧皮葺の大きな建物が本堂で、唐破風屋根が取り付く瓦葺の建物が食堂(じきどう)ですが、今でも桧皮葺の寺院建築が建設されることに、少なからず驚きました。写真からは外れていますが、右手にはこれまた大きな庫裏がつながっています。

Blog12032405 永保寺は建物だけでなく、夢窓国師の手による庭園もすばらしく、国指定名勝となっています。

 臥龍池に流れ落ちる滝と梵音巌に建つ六角堂の眺めが、山水画のようで思わずシャッターを切りました。

※滝の流れる岩壁を梵音巌と称しています

 
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こちらは、国宝開山堂です。昨年の夏に修理が終わっています。

 禅宗様に特徴的な扇垂木は、全ての地垂木・飛燕垂木が放射状になっており、それぞれの部材についての原寸型板が発見されたそうで、まさに気の遠くなるような話です。

 斗栱は三手先の詰組で、かなり込み入ったものです。これも禅宗様の特徴ですね。

Blog12032406_3 これは国宝観音堂の桧皮葺屋根葺き替え工事の様子です。

 軒先の反り上がりが顕著で、隅棟のあたりは完全に水勾配が逆になっています。葺き方の工夫で、雨水はきちんと排出されるそうですが、この意匠を造り上げるための先人の強い想いを感じさせられました。

 文化財建造物保存技術協会の加藤さん(保存修理設計監理者)の話では、修理と調査は同時に行なわれ、どのような方法で修理を行なうかも、調査の結果と職人さんを交えた協議で決まっていくそうです。

 文化財の保護・修理は、なかなかに時間とコスト、そして熱意が必要なんだと改めて思います。

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おちょぼさん

おだやかな日差しの彼岸の中日・・・。

墓参をすませた後に向かった先は、岐阜県にある商売の神様を祀る 「お千代保稲荷(写真は参拝殿奥の本殿)」 。

Blog12032002通称「おちょぼさん」として親しまれているこの稲荷は、小規模ながら伏見稲荷や豊川稲荷と並んで、日本三大稲荷のひとつに数えられているそうです。

年間の参拝客は、なんと250万人を越えるとか・・・。

平安時代、源八幡太郎義家の六男義隆が分家する際、「先祖の御霊を千代に保て」と祖神を賜ったのが始まりと伝えられているといいます。

Blog12032001_2なんでもありの楽しい参道は、TVで紹介されたこともあり、ありとあらゆる地元の名産品が揃い、老いも若きも散策を楽しんでいます。

藁でさした油揚げを購入し、精霊殿で参拝後周囲を見渡すと、商売繁盛のご利益を願ってか、いたるところに名刺が差し込んであります。

境内に鎮座しているお狐様は、参拝客であふれる参道の賑わいをあたたかく見守っているようです。

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春の気配

近年にはない、長く厳しい冬がようやく遠のき、待ち望んでいた開花を確かめに多くの人が訪れていました。

ここは名古屋市東部にある、名古屋市農業センター・・・。

しだれ梅園としては国内有数の規模を誇り、12品種約700本のしだれ梅が咲き誇ります。

今回はあいにく三部咲きの状態で、春爛漫には程遠い風景でしたが、おだやかな空気の中、今後展開されるであろう華やかに開花した園内を思い描きながらの散策となりました。

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この梅は、白梅の主要品種で300本弱ある緑蕚枝垂(りょくがくしだれ)。薄緑色のがくや長めのおしべが美しく、清楚さが際立っています。

Blog12030904_2そしてこちらは、園内で300本以上を占める「呉服枝垂(くれはしだれ)」。

枝がよく伸びきれいに垂れ、花つきも良い品種だそうですが、見頃はもう少し先でしょうか?

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また、センター内中央の温室では、色とりどりのベゴニアがあでやかに咲き誇り、皆が競ってカメラを向けています。

他の品種をここに紹介できないのが、残念!

全国的に梅の開花が遅れている今年は、梅祭りを過ぎても鮮やかに咲き誇っている園が多いといいます。

時期が過ぎていてもあきらめずに、足を伸ばして春を満喫してみてはいかがでしょうか?

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