今週末、テレビ朝日開局50周年記念作品として2夜連続で放映される『氷の華』。
某TV番組でたまたま小耳に挟んだ情報だが、俳優陣よりも原作者に少しばかり興味を抱き、検索してみることにした。
HPで覗いてみると、相変わらずあでやかな容姿で中央に立つ主演・米倉涼子の隣に、寄り添うように原作者である天野節子氏の姿がある。
還暦を前に、今までと違う世界を経験したいという思いを行動に移した。それが、「書く」という行為であり、それも「非日常のこと」・・・すなわち「推理小説」を書くということだったとインタビューに答えていた。
以降、仕事以外の時間をPCの前で費やす日々が始まり、脱稿するまで実に400字詰め原稿用紙一万枚を超えたという。
さて、ここからがSTORYの始まりで、書き上げた作品を本にしたいという湧き上がる思いを託して文学賞に応募したが、散々な酷評ばかりで入選には至らなかった。
作品を埋もれさせるのはなんとしても忍びない・・・と、自費出版を決意したが、刊行直前に出版社が倒産。
その後、倒産した出版社でこの作品を担当した編集者の橋渡しによって、「個人出版(自費出版と同様だが、編集者がアドバイスし、クオリティ面で商業出版と変わらない)」として刊行され、ようやく書店に並ぶことになった。
ところが、一ヶ月程度の短い期間で、「映像化」についての問い合わせが相次ぎ、関係者はその反響の大きさに驚いたという。
それを受け、徹底的にリサーチを重ねた結果、大手出版社からの再版が決定。原稿を見直し、カバーデザインも一新され、新たな形で店頭に並んだ。
知名度の低さやプロとしての評価は、時として優れた作品を闇に葬ることもあるが、原作者の強い思いが、最終的に「ドラマ化」という形で結実したといっても過言ではない。
オリンピックソフトボール日本代表・上野投手が悲願の金メダルを手にした時の言葉が、ふと浮かんだ。
・・・・・・気持ちを強く持つ者が、勝者になる・・・・・・
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